第7回目 社会

今回の授業は社会というより、歴史の時間になった。
学生に20世紀美術を範囲、ジャンルを決めずに勉強してきてもらい、僕が集めた資料を見ながらその知識を披露してもらった。

ピカソからブラック、カロなど様々代表作をスライドで見せ、当然、美術の専門家ではない彼らは戸惑う。
良くて作家の名前が重なるぐらいだ。

今回の課題は、いかに雄弁にさも正しいかのように語るかが問題となっている。
また、 前に立ってみんなの前で発表する形にする事で集中力が増し、唯一の情報源であるスライドから精一杯の意味を引き出す事になる。

そこには、本で読んだ知識以上に本質が隠れていて、学習によって得られた知識によってそれがくもってしまっているケースも無くはない。

写真によって当然もたらされる間違い、フォンタナの切られたキャンバスは鋭いペインティングのようでもある。
その誤解によって生まれる新たな疑問。何故作家は描かずに、切ったのか。

知識から起こる探求ではなく、経験から起こる探求。この授業ではそんなことを思い行なう事にした。