山梨県立美術館は私の生まれ故郷であり始めて足を運んだ美術館。
僕にとってブールデルの作品はネロの教会にあったルーベンスの作品のようなものなの。初めて美術館に足を踏み入れたのは小学生の高学年の頃だったと思う。階段脇のオープンスペースに巨大な(今見るとそうでもない)ケンタウルスが神々しく僕を見下ろしていたのだ。
何故か数年前?もっとかもしれないが像が外に設置されてしまい、以前置かれていた場所が今回僕の展示場所と聞き、だったらケンタウルスとなった次第だ。
僕の美術人生において重要なこの作品を取り入れ、あわよくば飲み込むつもりで格闘したい。
素材はもちろん電化製品の梱包として使われていた発泡スチロール。オリジナルを1.5倍に大きくしキュービズム(ボッチョーニ)のように空間を切り裂くような作品として仕上がる予定。
何故1.5倍なのか。
一つは、僕が子供の頃見た巨大なケンタウルス再現である。そえには1.5倍の大きさが適切だった。
もう一つには、美術作品の中で実物の縮小、拡大はその意味を壊したり、強くしたりする。
そこで僕は二分の一とか中途半端なサイズにする事で、なんというか作品で100点を狙う作品ではなくあえて50点を狙うというのかな。
そうする事で拡大、縮小の両者の持つ意味をより顕在化できるように思うのだ。
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